【書評】メダリスト13巻(つるまいかだ)|「この最低な人生をかっこよく生き抜く」いるかの覚悟に泣いた

13巻の構成は、いのりちゃんと光ちゃんの場面が8割、いるかちゃんの場面が1割です。それでも、私はいるかちゃんの箇所のみレビューします。だって押しだから。

つるまいかだ先生の『メダリスト』はずっと追いかけている作品ですが、この巻は群を抜いてきつかった。いるかちゃんが追い詰められていく場面を読みながら、胸が苦しくて、でも目が離せなくて。そして最後のあのセリフで、全部持っていかれました。

この記事でわかること

  • メダリスト13巻のネタバレなし感想・見どころ
  • いるかちゃんの失声症再発シーンがどれほど辛く・そして美しいか
  • いのりちゃんとコーチの言葉がなぜ刺さるのか

基本情報

タイトルメダリスト(13)(アフタヌーンKC)
著者つるまいかだ
出版社講談社
発売日2025年6月23日
ページ数192ページ
Amazon評価★4.9(3,760件)

▶ Amazonでメダリスト13巻(コミック・紙)をチェック

▶ Amazonでメダリスト13巻(Kindle版)をチェック

あらすじ(ネタバレなし)

フィギュアスケートの世界を舞台に、いのりと司が二人三脚で頂点を目指す物語。13巻では、ヒカルちゃんがメインの物語といっても過言ではありません。でも、いるかちゃんにフォーカスしています。。

感想・書評

失声症の再発——言葉を奪われたいるかちゃん

13巻で最も読んでいて苦しかったのが、いるかちゃんの失声症が再発するシーンです。声が出なくなる——スケーターとして氷の上に立つ以前に、コミュニケーションそのものを奪われてしまう。

これがただの「体調不良」として描かれていないのがつるまいかだ先生の凄さで、いるかちゃんがこれまで抱えてきた重さが、この症状という形で噴き出してくる。読んでいて「ああ、ここまで溜め込んでいたんだ」と胸が締め付けられました。

みかちゃんを見たとき——闇落ちしかけたあの瞬間

失声症が再発した状態で、いるかちゃんは憧れていたミカちゃんを目にします。いるかちゃんの中でどれだけミカちゃんが大切な存在だったかわかる場面です。今までの伏線が回収された場面です。

嫉妬でも怒りでもなく、もっと深いところ——自己否定が、いるかちゃんの描写からにじみ出てくる。闇落ちしかけた、という表現がぴったりで、このまま彼女が折れてしまうんじゃないかと本気で怖くなりました。

いのりちゃんの「いるかちゃん かっこいい!」が全てを変える

そんなギリギリの状態のいるかちゃんに届いたのが、いのりちゃんの純粋な言葉でした。「いるかちゃん かっこいい!」「ねえねえ そのジャンプどうやるの」——ただし、いるかちゃんの妄想だと思っています。このシーンは、マンガではでてきていない認識です(間違っていたらすいません)。

いるかちゃんの内側にミカちゃんではなく、いのりちゃんが占めるウェイトが増えてくる描写。そしてコーチの「もう一度・・・大人を信じてくれないか」という言葉。いるかちゃんはこれまで大人に裏切られてきた経験がある。だからこそ、この一言の重さが半端じゃない。私も15歳と12歳の娘の父なので、この難しさが少しわかります。しかも他人の子供。自分の子供じゃない。深すぎます。

そして、号泣のいるかちゃん。後にも先にも、いるかちゃんが泣くのは、この場面だけじゃないかな。もしもオリンピックで金メダルとってもいるかちゃんは泣かないと思います。

「この最低な人生を、だれよりもかっこいいスケート選手として生き抜いてやるんだ!」

そして13巻最大の山場、いるかちゃんのこの言葉。

自分の人生を「最低」と言い切る潔さと、それでも「だれよりもかっこいいスケート選手として生き抜く」という宣言の力強さ。卑屈でも強がりでもない、本当の意味での覚悟がここに詰まっていて、読んでいて体が震えました。

いるかちゃんはヒロインではないけど、私の中では完全に主人公。いるかちゃんをメインにした外伝を書いてほしいです。傷つきやすくて、折れそうになって、それでも立ち上がる。その人間らしさがあるからこそ、この言葉が刺さる。

こんな人におすすめ

  • フィギュアスケートが好きな人・興味がある人
  • 「努力と才能」ではなく「人間の心」を描いたスポーツ漫画が読みたい人
  • 主人公が失敗したり折れたりしながら成長する物語が好きな人
  • 子どもの純粋な言葉に救われる場面に弱い人
  • 1巻から読んでいてもっと続きが気になっている人

まとめ

メダリスト13巻は、シリーズの中でも特に「人間の弱さと強さ」が濃く詰まった一冊でした。いるかちゃんが追い詰められ、それでも立ち上がるまでの過程が丁寧に描かれていて、読後感はきつさと清々しさが混ざり合った不思議な感覚。

「この最低な人生をかっこよく生き抜く」——この言葉は、フィギュアスケートの話を超えて、生きることそのものへの宣言に聞こえました。

まだ読んでいない方は、ぜひ1巻から。そしてすでに追いかけている方は、この13巻を覚悟して読んでください。

Amazonリンク

▶ メダリスト13巻(コミック・紙)をAmazonで見る

▶ メダリスト13巻(Kindle版)をAmazonで見る

コメント

タイトルとURLをコピーしました